管轄条項の対案で、被告の地で仲裁するようにする英文案
たとえば、上海・東京間で取引をする際、裁判管轄が中国だけになっていたような場合、次のような対案を提示することが考えられます。 "If the respondent in such arbitration is Party A, the arbitration shall be held in Shanghai, China in accordance with the rules of the China International Economic and Trade Arbitration Commission, Shanghai Sub-Commission. If the respondent is Party B, the arbitration shall be held in Tokyo, Japan in accordance with the rules of the Japan Commercial Arbitration Association." (被告が当事者Aのとき、上海の商事仲裁のルールに従って上海で仲裁提起しなけれ
「効果には個人差があります」と書いても景表法違反?
Q)低カロリー食品などの広告で、効果がでていない人がいるにもかかわらず体験談を広告に乗せることは、仮に「効果には個人差があります」と書いても法律違反になるのでしょうか? 最近、景品表示法の規制が相当アツイです。かつては、公正取引委員会から消費者庁に権限が移管され、「動かない消費者庁」と煽られていた時期もありましたが、ここ3年は、前年の倍ずつのペースで行政処分がなされている状況です。 今回の相談のような、インパクトのある表示(「おなかスッキリ!」みたいな表示)をしているとき、「効果には個人差があります」と書くことを「打消し表示」と呼びます。 平成29年7月、消費者庁は、「打消し表示に関する実態調査報告書」という報告書を発表しました。消費者庁は、この報告書で、体験談を使ってインパクトのある表示をしている場合、「打消し表示に気付いたとしても、体験談から受ける「『大体の人』が効果、性能を得られる」という認識が変容することはほとんどないと考えられる」と指摘しています。そのため、効果がない人がいる場合は、どれだけ大きくはっきり「効果には個人差があります」と書
Instagramで商品を提供して広告をしてもらうとき、ハッシュタグで#sponsoredや#提供など付ける必要があるのか
Instagramで商品を提供して広告をしてもらうとき、ハッシュタグで#sponsoredや#提供など付ける必要があるのか 最近調べたので、書いておきます。 1 結論 日本法では、現在は不要。(しかし、状況によっては景表法の規制が及ぶので、その点では広告規制を考えなくてよいわけではない。) アメリカでは、FTC(公正取引委員会みたいなところ)のルールで、消費者保護の観点から、#sponsoredなどをつけなければならない。 ただ、今後、自主ルールや利用規約で必要となる可能性は十分ある。 2 規制を受ける理由 このような利益の提供を受けているが、それを隠すような広告は、「ステルス・マーケティング」の一つと言われています。 「一般の人の評価ではなく、消費者に誤った考えを植え付けてしまうかもしれないのに、それが表示されていないのが危険」ということが考えられています。 3 日本法の規制状況 このような、インフルエンサーによる広告は、第三者の広告なので、一般論としては「事業者」によるものではないといわれています。 そして、日弁連の提言(2017年(平成29
賃貸住宅の修繕は賃貸人によってなされることがデフォルトルールに
この民法改正で、賃貸住宅の修繕についてのルールが明確になりました。 これからは、何も契約書に定めがなければ ・賃貸人が修繕する ・賃貸人側がその修繕が借り主のせいで必要になったことを証明したら、借り主が修繕しなければならない ・修繕が必要な場合、賃借人は、自分でいきなり修繕ができない。 ・賃借人が修繕できるのは、①あらかじめ賃貸人に修繕が必要だと通知したか、その状況を知ったにもかかわらず、必要な修繕をしてくれない場合か、または②急迫の事情がある場合だけ という4ルールが適用されることになったのです。 「これを面倒だ」と思うなら、契約書にきちんと明記しなければならないわけです。 その修正のため、弁護士を活用することも考えられるでしょう。 弁護士 杉浦智彦 #民法改正 #賃貸借契約書
外国と取引をする上で、「不公正貿易報告書」は絶対に確認せよ
海外と取引をするとき、とても大切になるのは、その国の規制法です。 その中でも、「国際経済法」という分野(外為法、セーフガードなど)は、対外投資できるかという部分で大切となります。 これは、以下の「不公正貿易報告書」のページを確認することで、ある程度明らかとなります。 http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/wto_compliance_report/index.html 詳しいことは、現地の専門家などに問い合わせる必要はありますが、 そうはいっても、最低限はこの報告書で調べておくのがよいといえるでしょう。 その他は、JETROなどのホームページを見て、確認していくことが望ましいでしょう。 弁護士 杉浦智彦 #WTO #不公正貿易報告書 #対外投資
ネットで拾ってきたひな形を使う弊害とは
最近、契約書のチェックをしていて思うのが 「あー、この企業、ここのひな形を丸パクリしてるんやな・・・」というものです。 単純に使うことは、著作権法違反の問題があります。 東京地判平成25年4月7日 この事件では、利用規約の模倣が、著作権法違反となることを判断した事例です。 まあ、ここまで行かなくても、実際は、良い文化をTTP(徹底的にパクる)することは常態化しているのではないかと思います。 具体的には、少しだけ、自社に合わせるよう修正するというものが多いですね。 ただ、これをすると、相手方からすると、「ああ、こいつはココを変更せざるを得ないんだな」ということで、手の内がバレるリスクもあるわけです。 例えば、NDAで、守秘義務の対象となる機密情報の定義について、元々のひな形だと「Confidentialと明記されたもの、及び同等に管理されているもの」となっているものが「すべての情報」となっているとすると 推認1 →ああ、この企業は、Confidentialと書くような形で機密情報を管理していないんだな→もしかすると、情報がダダ漏れのリスクもあるので
一問一答民法(債権関係)改正を購入しました
昨日、東京の裁判所の地下にある本屋さんで、以下の本を購入しました。 民法改正の立案担当者が解説をしており、現時点で最も参考にしてよいと言われる本となります。 こちらの本をふまえ、顧問先などへのアドバイスもできればと考えております。 弁護士 杉浦智彦 #民法改正
機密情報の開示範囲に弁護士や金融機関などは入れなければならない
NDAにおいて、情報受領者の開示範囲を定めることが多いです。 この場合、その業務の従業員には開示することが明記されていることが多いのですが、 役員・共同出資者・銀行・弁護士などには開示できるか不明確なものも多いです。 しかしながら、紛争になったとき、もし守秘義務の内容が問題となったら、弁護士も、その機密情報に触れざるを得ません。 それにもかかわらず、弁護士に開示したら、守秘義務違反になることも有り得るのは絶対に避けるべきです。 その点で、弁護士は、情報開示の範囲に入れておくべきといえます。 また、金融機関も、融資を受けるときや、貸し剥がしの防止のときなどに、情報開示が必要になる場面も出てきます。 そのときのため、金融機関も情報開示の範囲に入れておくことが望ましいとはいえるでしょう。 弁護士 杉浦智彦 #機密保持契約 #NDA
昨日付で当事務所が「経営革新等支援機関」に認定されました
昨日付で、杉浦が所属している弁護士法人横浜パートナー法律事務所が、 「経営革新等支援機関」に認定されました。 経営革新等支援機関とは、中小企業に対する税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等に認定されるものです。 当事務所も、専門的知識を有しているということで、無事認定されることとなりました。 今後も、お客様のニーズに応えられるよう、業務を進められればと思います。 弁護士 杉浦智彦 #コラム