共同開発契約で「独自に生み出した」かどうかを判断するには
共同開発契約をしていても、「独自に生み出した」成果は、その開発者のものとなります。 しかしながら、本当に「独自」なのか、争いが多いのは確かです。 「情報・ノウハウを利用せずに生み出した。」というのが基準にはなりますが、実際は、判断は難しいのです。...
判例解説_最判平成30年7月19日_定額残業手当の有効性(肯定)
本判決を踏まえてのまとめ ・定額残業手当を支払うときは、何時間の残業に対応するか明記しよう ・定額残業手当の残業時間と実際の残業時間は、ある程度近い時間にしておこう ・定額残業手当を採用していても、きちんと労務管理をしておこう 【事実関係】 薬剤師の残業代請求事件である。...
中小企業も60時間以上の残業の割増率は50%になる?
働き方改革の法案が通りました。 いろいろな改革があるのですが、その中で、実は、中小企業にとって大きな改正がいくつもされています。 その一つが、「60時間以上の残業代5割割増の規程の猶予が外れる」ということです。 これまでは、大企業のみ、60時間以上の残業が5割割増賃金となっ...
労働契約書と就業規則はどちらが優先するか
労働契約書を作られている企業は多いように思います。 ところで、就業規則と労働契約書は、内容が矛盾するようなとき、どちらのほうが優先されるでしょうか。 結論からいうと、 「原則として、労働者にとって有利なほうが適用される」ということになります。...
法律上の「書面」にPDFが含まれるか
たとえば、借地借家法22条は 「続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第1項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定...
三者鼎立型のNDAのとき、受領者は"party" "parties", "party/parties"のいずれで表記するのがよいか
どうでもいい話題です。 三者まじえての守秘義務契約を締結することがあります。 そのとき、情報開示者は一人になりますが、情報の受け手をどのように定めるべきかが難しかったりします。 日本語だと単純に「受領者」としてしまえばよいんですが、英語だと、単数・複数の問題があります。...
CISG(ウィーン売買条約)はどういう場面で適用されるのか
CISG、ウィーン売買条約とは 国境を越えて行われる動産(=不動産と債権以外)の売買に関する条約です。 ざっくり言えば、「国際的な民法」ですね。 さて、このCISGは、どのような場面で適用されるのでしょうか。 まずは、CISG加盟国に属する当事者同士の契約であれば、CISG...
新しい民法で規定される「定型約款」はBtoBにも適用されるか
定型約款は、不特定多数の者を相手方として、内容が画一的であることが合理的な取引について定められた、事業者が準備をした約款をいいます。 これは、一見、消費者契約法のようなので、BtoC(事業者・消費者間)でしか適用されないようにも読めます。...
事業に関して保証人になるように友人に依頼することは難しくなる?
新しい民法では、保証の際、原則として「公正証書」で意思を確認する手続きが入ることになります。 それだけではなく、もう一つ大きな変更があります。それが事業にかかる債務の保証についての「情報提供義務」というものです。 民法465条の10では、債務者は、保証人に対して、財産・収支...