大学対抗交渉コンペティションの審査員を担当します
12月1日・2日に上智大学で開催される、大学対抗交渉コンペティションの審査員を行うこととなりました。 http://www.negocom.jp/
委任契約書の印紙は不要?
弁護士とお客様との間の委任契約書には、印紙は不要です。 それは、委任契約書が課税物件ではなく、印紙税の対象ではないからです。 ただ、題名が「委任契約書」になっていれば印紙税が不要となるわけではありません。 たとえば、仕事を任せて、その結果に対して対価を払っているようなものであれば、「請負契約」の内容となりますので、これは印紙税の対象となります。 結局、内容次第ということですね。 弁護士 杉浦智彦
コンサルティング契約の契約書のポイントは報告の内容だ
コンサルティング契約は、法的に整理をすると、(準)委任契約に分類されます。 請負とは違い、結果を出す必要はなく、最大限努力する(これを善管注意義務といいます)ことが要求されています。 ただ、最大限努力しているかなんて、発注者にはわからないわけです。 そのため、法律上要求されているのが、「報告義務」というものです。 この報告義務は、結果の報告だけではなく、処理状況の報告も含みます。 何も書かなければ、結果の報告だけだと債務不履行となります。 ノウハウが流出することもあるわけですので、きっちり、報告の内容を契約書に盛り込む必要があります。 ぜひ注意していただければと思います。 弁護士 杉浦智彦
民法改正の経過措置の解説(4)
今回は、債務の引受けに関する経過措置の解説です。 今回の民法改正により、あらたに、債務を引き受ける場合のルールが定められました。 この規定は、施行時後に締結された債務引受にしか適用されません。 それでは、施行日よりも前に債務引受の約束をした場合はどうなるのでしょうか。 実は、これまで裁判例で、債務引受についてはルール整備されており、それが明文化されただけですので、実質的には、改正前であっても、改正後とほぼ同じルールとなるわけです。 むしろ、債務引受の改正の最大のポイントは、「保証の規制をすり抜ける形で使われないか」というところです。 債務引受は、もともとの債務者との関係を維持しながら、さらに債務者を増やすことも可能です(これを重畳的債務引受といいます) これは、保証に類似するものになるので、保証と同じく、公正証書などを要求すべきではないかと言われていました。 ただ、公正証書によるかどうかについては民法には定めず、解釈で判断されることとなります。 対象条項:<民法附則(H29)23条> 弁護士 杉浦智彦
民法改正の経過措置の解説(3)
今回は、保証制度の経過措置の解説です。 今回の保証制度の改正により、事業用の借り入れなどの保証人をつけるときに、公正証書が必要となるなど、大きな変化があります。 保証制度は、改正法施行時で分かれます。 それよりも前に保証した場合には、改正後の保証の規定は適用されません。 ただ、そうはいっても、公証人による保証の書面の作成は、改正前であっても可能です。 対象条項:<民法附則(H29)21条> 弁護士 杉浦智彦
民法改正の経過措置の解説(2)
初回は、時効制度の経過措置の解説です。 時効は、「施行日前に債権(またはその原因)が生じた」かどうかで分かれます。 施行日前に権利が発生していれば、新しい時効制度は適用されないのです。 また、今回の民法改正で導入された、協議による合意で時効を引き伸ばすという規定(改正後民法151条)については、施行日前に合意されたものには適用されません。 しかしながら、施行日前に発生した権利について、時効が成立しそうなときに、施行日後に協議の合意をすることは認められているのです。 細かい世界ですが、その点は注意しなければならないでしょう。 対象条項:<民法附則(H29)10条> 弁護士 杉浦智彦
民法改正の経過措置の解説(1)
民法改正には、改正法施行の前の行為に適用されるかという「経過措置」があります。 この経過措置によって、改正法施行までに、どういう対応をすべきか見えてきます。 経過措置は、民法そのものではなく、その附則(平成29・6・2法44)で決められています。 次回以降、この経過措置について詳しく解説していきたいと思います。 弁護士 杉浦智彦
民法改正により導入される定型約款規制は原則として改正法施行前から適用される
民法改正により、新たに「定型約款」の規制が導入されます。 この規制により、一方に不利な条項が無効とされる余地が出てきました。 改正に向けて、準備をすすめている企業も多いかと思いますが、この定型約款の規定は、実は、改正前から契約していたものにも、遡って適用されるのです(附則33条)。 この適用を排除するためには、書面で、一方当事者による反対の意思表示が必要となります。 万一のことを考えて、現在のひな形の改正をするときに、ご参考にしていただければと思います。 弁護士 杉浦智彦
元請けー下請け間の契約で注意すること
元請けと下請けの間の契約には、下請法(建設業の場合は建設業法)の規制が及びます。 元請けのほうが力関係が強いことが多いので、弱い者いじめにならないよう、法律が縛っているのです。 その具体的な内容は、支払い時期を遅くしすぎないようにしたり、勝手に減額させないようにしたり、書類交付するようにしたりという、ある意味当たり前のルールとなっています。 細かい契約については、ひな形が用意されていることがあるので、それを利用するのがよいでしょう。 建設の場合は、「建設工事標準下請契約約款」というひな形を使うとよいでしょう。 http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000092.html (以上のサイトからダウンロードできます)