繁忙期のため、4月まで更新ストップします
すみません、少し繁忙期になりましたので、4月まで更新を停止させていただきます。
短い取引契約書にすることは、取引の実態がわかっていないと難しい?
私のところに、よく「A4紙に1~2枚程度で取引契約書を作ってもらえませんか」なんていうオーダーが来ます。 専門家としては、取引の本質部分(たとえば、売買のときの物・値段・受け渡し時期)についてだけ書けばよいなら、それで済むのですが、契約書を作成したいという場合、さまざまなリスクに対応することが想定されているように思います。 「もし、訴えられたらどうしよう」という抽象的な不安から、 「もし、思ってもいないようなことで、不具合を主張されたらどうしよう」ということまで、 いろんな悩みを解消するには、本来はA4の1~2枚に収めることは困難ではあります。 ただ、わかりやすく、しかも、読んでもらえる契約書の限度が1~2枚というのも、非常によくわかるところです。 そのため、リスクが高くない部分を削る、または、法律の規程に委ねる形でリスク配置をして、契約書を短くしていくのです。 それは、具体的にどんなリスクが発生しやすいか、そのヒアリングが不可欠といっても過言ではありません。 短い契約書を作るためには、ふつうの契約書作成時間にかけるヒアリング時間の何倍もの時間が
契約書全部が一発無効となる付属条項はあるか
契約書の審査をしていて、あぶない条項があることが、ごくたまにあります。 違法金利を要求しているものなどですね。 たとえば、一部条項が公序良俗に違反するからといって、全部が無効となることはあるのでしょうか。 この点については、なかなか難しい問題があります。 たとえば、愛人契約は無効です。 ただ、契約の本質部分ではなく、金利などの付属条項は、一部が無効となることはあっても、それ以外の部分まで無効とすることには、判断を踏み切れないことがあります。 どのくらい、そのサブの部分が、本質部分と不可分一体となっているかというのが基準になると思います。 もし、付属条項だけ無効にするだけでは対応しきれないときには、契約全部が無効となることもあるでしょう。 なお、海外では、このような全体無効のリスクを消すため、可分条項(Separability Clause)と呼ばれる条項を入れ込むこともあります。 弁護士 杉浦智彦