フランチャイズ契約は何を盛り込んでいるのか(3)
先週、前回の記事の続きです。 フランチャイズ契約は「特約店」の特則? フランチャイズは、著名な店の販売チャンネルとしての役割もあるので「特約店」の特則ともいえます。 ただ、特約との最大の違いは、加盟店が新規募集に応じたもので、初回の投資額が大きくなることですね。 そのため、加盟店は簡単に離脱できず、フランチャイザーは不当な条件をつきつけても 、なかなか対応できないということが起こります。 いわゆる、上下関係の不当利用という、下請法などが想定している事態が発生しうるのです。 そのため、「商品販売(飲食業を含む)」に限定はされているのですが、フランチャイズについては、加盟しようとする者に書面を交付して説明する義務が課されています(中小小売商業振興法11条)。 また、場合によっては、下請法や独占禁止法の適用の余地もあります。
フランチャイズ契約は何を盛り込んでいるのか(2)
先週の記事の続きです。 フランチャイズ契約とは? 中企庁「フランチャイズ契約の留意点」によると https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/download/21fyFranchiseStart.pdf 「フランチャイズ・システムの定義は様々ですが、一般的には本部が加盟者に対して、特定の商標、商号等を使用する権利を与えるとともに、加盟者の物品販売、サービス提供、その他の事業・経営について統一的な方法で統制、指導、援助を行い、これらの対価として加盟者が本部に金銭を支払う事業形態であるとされています」 というのが、一つの説明です。 要素はいろいろありますが ・本部と加盟店という、上下関係があること ・商標や商号のライセンスを渡していること ・物品販売やサービス提供について指導援助すること ・対価として加盟店が本部に金銭(ロイヤリティ)を払うこと が大きいポイントとなります。 ただ、この契約は、幅が広いがために、さまざまな問題を抱えることになるわけです。 問題1:フランチャイザーと加盟店は仲間であり競合相手?
甲とか乙とか使わないほうがいい
甲とか乙とか、契約書っぽくて使いたくもなるのですが、 日本くらいなんですよね。 普通は、会社名の略語などが多いです。 そりゃそうですよね。 かっこよさより、読みやすさが一番ですから。
フランチャイズ契約は何を盛り込んでいるのか(1)
最近、セブンイレブンが、フランチャイズ加盟店向けに、廃棄についての譲歩をしたと報道が出ました。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44969020X10C19A5EA5000/ ただ、実は、フランチャイズ契約というのは、よくある業務形態ですが、その中身について、よく固まっているわけではありません。 今回は、フランチャイズ契約の中身について迫ってみたいと思います。 フランチャイズ契約とは? フランチャイズ契約については、さまざまな定義があります。 中小企業庁のパンフレットがどのようにいっているかを見てみましょう。 中企庁「フランチャイズ契約の留意点」 https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/download/21fyFranchiseStart.pdf 「フランチャイズ・システムの定義は様々ですが、一般的には本部が加盟者に対して、特定の商標、商号等を使用する権利を与えるとともに、加盟者の物品販売、サービス提供、その他の事業・経営について統一的な方法で統制、指導、
MVNOの電話は個人情報を割り出すのが面倒?
MVNOとは 仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator, MVNO)というのが、増えています。 マイネオとか、OCNモバイルなど、聞いたことがあるでしょう。 このMVNOは、ドコモなどの主要キャリアのインフラを借りて運営する携帯電話の事業者なのです。 携帯電話の番号からどこまで割り出せる? 携帯電話の番号がわかれば、弁護士は、その契約者の氏名・住所などを知ることができます。 これができると、債権回収の足がかりになるわけですが、MVNOの場合は、若干これが面倒なのです。 なぜ面倒なのか 携帯電話の番号から情報を仕入れるためには、 ・電話番号から、どのキャリアが取得した番号かを調べる ↓ ・その管理しているキャリアに弁護士会照会という手続きで情報照会する ↓ ・そのキャリアが管理をしていれば、情報開示 という流れが必要になります。 もしMVNOの場合、三番目の「そのキャリアが管理」しているわけではないので、もう一回、そのMVNO業者に対して弁護士会照会をしなければなりません。 弁護士会照会の費用は、弁護士会
令和もよろしくお願いいたします。
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