株主総会は簡単だから開こう

6月です。
定時株主総会の季節です。
「株をもっている会社から株主総会の通知が来てたなぁ」なんて思うかもしれませんが、あなたの会社も、株主総会を開いておかないと、とんでもないことが起こります。
A社は、有限会社で、株式については、税理士に言われるがまま、代表者が9割、ほかが1割という形で発行していました。
ずっと株主総会を開いておらず、代表者が高齢になり、会社の代表の地位を後継者に継がせようとしたところ、他の株主から嫌がらせ的に「株主総会不存在確認の訴え」を提起されてしまった・・・。
こんなの、本当によくあるのです。
嫌がらせの材料なんか、簡単に作れます。揉めるときは揉めるのですから、出来る限り、炎上の「燃料」を減らしておくことが大切です。
そのため、毎年1回、株主総会を開くことが大切なのです。
「株主総会なんて面倒だなぁ」と思うかもしれませんが、株主全員の同意があったら簡単です。
全員の同意があれば、どこで開いてもよいですし、電話で会議をしてもよいのです。
よく言われるのは、夕食会をして、そこで会社の話をして、それを株主総会としてしまうというものです。
そんなんでもよいのです。
あとは、株主総会を開いたことを証明するため、株主総会議事録を作成すれば完璧です。
ここに、定時株主総会(通常6月にひらくもの)の議事録の案を添付しておきます。
ただし、これは、取締役しかいない会社の場合を前提にしていますので、監査役がいる場合は、別途ご相談ください。
★株主総会第★期定時株主総会議事録
日時 平成★年6月★日(★曜日) 午後7時~午後8時
場所 横浜市中区★ 代表者★宅 大広間
出席取締役
代表取締役 ★
取締役 ★
議決権を有する株主の数及び出席株主数
議決権を有する株主の総数 ★名
総議決権数 ★個
本日の出席株主数 ★名
その有する議決権数 ★個
議長
代表取締役社長 ★ (定款第★条による)
議事録の経過の要領およびその結果
定刻午後7時に議長が開会を宣した。
議長は、本日の出席株主数およびその議決権の数を報告し、本総会の全議案を審議できる法令及び定款上の定足数を充足している旨述べた。
報告事項
議長は、第★期(平成★年★月★日~平成★年★月★日)の事業報告をした。
決議事項1 計算書類承認
議長は、当期に関する計算書類につき審議承認を求めた。
総会は以上により別段の異議なく承認した。
決議事項2 取締役任期満了に伴う改選
議長は、定款規定により取締役★が本総会の終結と同時に任期満了退任することとなる旨を説明し、改選の必要がある旨を述べ、その選任方法につき議場に諮ったところ、 出席株主中より再選重任を求める発言が有り、議長がその賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもって下記の者の選任が可決確定した。なお、被選任者は就任を承諾した。 取締役 ★
議長は以上をもって本日の議事を終了した旨を述べ、本総会は閉会した。 以上の決議を明確にするため、この議事録をつくり、議長及び出席取締役が記名押印する。
平成★年★月★日
株式会社○○○○
定時株主総会 議長・議事録作成者 代表取締役 ★ 印
取締役 ★ 印
年に一度、家族であつまって、このような会議を開くのもよいかもしれません
細かい部分は弁護士のアドバイスを受けて下さい。
弁護士 杉浦智彦