なぜ海外との契約の契約書は長いのか(準拠法の話)
日本国内での契約では、法律にルールが決まっていることが多いので、
なんだかんだいって「法律もあるし大丈夫だろう」と思いがちです(そんな思いが無い方もいらっしゃいますが、ここは無視してください)
でも、海外との取引は、契約書がとても長いことが多いです。
海外の文化なのかな?と思われがちですが、海外も、国内向けでは短い契約書も存在します。
http://blog.btrax.com/jp/2017/06/30/contact/
では、なぜ海外の取引の契約書が長いのかといえば、一つは準拠法の問題があります。
準拠法とは、どの国の法律が適用されるかを示すルールです。
準拠法を日本法にすれば、日本の法律に従ってルールが決められることになります。
ただ、たとえばフィリピンと契約することになったとき、「フィリピン法を準拠法とします」といわれても、フィリピンの法律なんかわからないし、いざというときに調べられないわけです。
そのため、契約書にあらゆることを記載して、ルールをわかりやすくしているのです。
(なお、契約書を作成する理由は、税務上の理由や、取引の有効性を担保するためなど、さまざまな理由はあります)
弁護士 杉浦智彦