専門家に優しいアガサ・クリスティー
最近、事務所代表のセミナーでいい話を聞いたのでシェアします。
アガサ・クリスティーの名探偵ポワロの話です。
作品名は「ポアロ登場」に掲載されている「なぞの遺言書」です。
これは、金持ちだけど教育に意味を見出していないおじさんの遺産と、その姪(高等教育を受けた女性)の話なのですが、おじさんが、「高等教育を受けた成果を見せることができたら、遺産を姪にあげる」という話をし、高等教育を受けた姪っ子が、すぐにポアロを頼って謎をとくという話です。
ここで、「ズルなんじゃないか」というツッコみに、ポアロが返したコメントが秀逸なのです。
「ミス・マーシュ(注:姪)は、すぐにこの問題をぼくに任せたことによって、機転が利くということと女性が高等教育を受けることの価値を証明したんだからね。どんなときも、専門家に任せるべきなんだ。彼女は、この遺産を受け取る権利のあることを十分に証明したよ」
生兵法は怪我の元といいますが、わからないことを専門家に頼ることが高等教育の成果なのかもしれません。
弁護士 杉浦智彦