別法人を使って財産を隠す手法は有効だが、やりすぎたらガッツリお金を奪われる
別法人をつくって財産を隠すという方法は、それなりに有効である。
法律の大原則として、「債権者は、債務者の財産にしかかかっていけない」というルールがある。
そのため、債務者が、自分の財産を他の人に渡してしまうと、手出しが難しくなる。
この対策として、
・詐害行為取消権
・法人格否認の法理
などといった手法があるが、使いにくい。
証明するため、さまざまな資料を集めなければならないからだ。
請求しようと思っても、費用倒れになることも多い。
逆を言えば、別法人を使って財産を隠すのは、それなりに有効な手段なのだ。
ただ額が大きくなると、証拠も多くなる。証拠が多くなれば、対策も講じやすくなる。
そのため、仮差押という方法をつかって、一気にお金を差し押さえられ、キャッシュが回らなくなって倒産する事態や、そこまで至らなくても、取引先との信頼関係を潰されることがある。
何事も、やりすぎてはならないのだ。
弁護士 杉浦智彦