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倒産のとき相殺できるのはグループ会社単位ではなく、当該企業単体だけ

最近は、一個の企業の事業部門のような形で、親会社と、事業部門ごとの子会社が設置されることが増えました。

かつては、債務者に対して、何かしらの債権を持っていて、それで相殺できるようにして債権回収を図る方法がありました。

これを「相殺の担保的機能」といいました。

一つの企業が多角化している場合、ある事業部門では売り主だが、別の事業部門では買主といえる事例も多かったのです。

そのため、仮に売った先が破産しても、別の事業部門の債務と相殺し、難を逃れることもできたのです。

しかしながら、下手に子会社にしてしまった関係で、その相殺ができなくなり、いざというときに困る事態が発生しうるようになりました。

三角相殺という手段も考えられなくはないのですが、最高裁平成26年(受)第865号同28年7月8日第二小法廷判決があり、否定される傾向も強くなってきました。

子会社にして分けるということは、良いこともあれば、このような悪いこともあるのだと感じたのでした。

弁護士 杉浦智彦


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