主権免除特権放棄条項というものについて
取引相手が、政府や国営企業の場合、Waiver of Sovereign Immunity(主権免除特権放棄条項)を入れることがあります。
内容は、
【国営企業】は、抗弁その他として当該企業が国際法または国内法により有する一切の特権または主権免除を、いかなる手続においても、本契約の履行のために放棄し、その放棄に同意する。放棄する特権には、訴訟を免れる主権免除の特権及び財産の差し押さえ、または強制執行を免れる主権免除が含まれる
というものです。
政府や国営企業などが、海外の金融機関から融資を受けたり、海外の企業から物品を購入したりしたとき、訴えられても、原則として裁判を拒否できます。
それを防止するため、このような条項を入れることが必須となります。
そもそも、国営企業かどうかの判断もつかないことも多いので、海外との取引では、その点も注意して介入すべきといえるでしょう。
弁護士 杉浦智彦