チェックをしなくてもよい契約書とはどういうものか
契約書のチェックの必要性はこれまでも述べてきましたが、
ところで「どこまでレビューを依頼したらいいのか」というのが気になるでしょう。
原則としては、全部レビューしてもらったほうが安全です。
しかしながら、いくつか例外もあります。
1つは、国に認可された約款に基づく取引です。
旅行のときの約款や、電気料金の約款などは、国が既に審査済みで、レビューしたからといって修正できるものもありません。
そのため、これはレビュー不要でしょう。
ほかにも、基本部分を既にレビューをしていて、リスクが既に明確化されているものもあげられるでしょう。
たとえば、ITサービスなどで、利用規約と契約成立の「プロセス」までをレビューすれば、あとの個別の契約などは、個々の部門ごとの判断に委ねてもリスクは動かないことが多いでしょう。
その他、いろいろありますが、悩ましいのは、「リスクがなさそう」と判断することにリスクがあるということです。
やはり原則としては、全件レビューしてもらったほうが良いとはいえるでしょう。
弁護士 杉浦智彦