勝ち筋の事件で負けず、負け筋の事件をどう処理するかが弁護士の腕の見せどころだが、その筋を見誤ってはいけない
この業界にいると、「これまで訴訟で負けたことがないです」という人が一定数います。
実は、私もそう(ほとんど和解で終わらせているのもあるのですが・・・)なのですが、負ける確率は弁護士の能力を左右しないと思っています。
変な話、勝てる事件は、弁護士が関与すれば基本的には勝てるのです(そりゃそうですよね。でも、一部の弁護士は能力が低く、本当に自滅することもあるのです・・・)。
弁護士の腕の見せどころは、実は、勝負が微妙な案件や、負けそうな事件で、いかにいい条件で和解にもっていけるかというところだったりします。
ただ、一個勘違いしてはいけないのは、「勝ち筋」かどうか、その見極めはおもったより難しいということです。
お客様のなかでは「絶対に負けるはずない」と思っている事件でも、相当筋悪のものがあります(絶対に負けない案件だと、そんなに揉めません。なにか落ち度があることがほとんどです)
その筋を見極められるのは、実は弁護士に求められる素養なのかもしれませんし、有能な弁護士の証拠なのかもしれません。
弁護士 杉浦智彦