リスクのない、同種の取引すべてで使える契約書のひな形は作れないのか
タイトルは、最近お客様から問い合わせのあった内容です。
私も、それがあったら、どんなに楽だろうなと思ったりもします。
ただ、現在、そのような契約書は存在しなさそうです。
弁護士が契約書を作成したりチェックするとき
・どんな取引なのか
・どういう問題が過去に起こったのか
・取引を続けたい企業なのか
を聴き取り、それに合わせて、リスク要因を考えて契約書で手当をしていきます。
同種の取引だと、「ある程度」までは、同様のリスクなので、手当ができます。
その点で、「リスクがそれなりに低い、同種の取引すべてで使える契約書」というのは提示ができます。
ただ、リスクをなくすのは、案外難しかったりします。
リスクをなくすのは、要するに相手にリスクを押し付けることにほかなりません。
今後、長い間取引を続けたい企業だった場合、そのようなリスクの押し付けの姿勢が見受けられたとして、取引が拒絶されるような場合もあります。
また、消費者が関係する一定の取引だと、無効な条項とされ、かえってリスクが読めなくなることもあります(定型約款の問題)。
結局、コストを考えて、どこまでやるのかという問題なのだろうと思います。
弁護士 杉浦智彦