「危険負担」とは何か
契約書に入っていて、なおかつ法律を学んだ人しか分からない用語として「危険負担」というものがあります。
危険負担というのは、「当事者の責任でないのに、取引ができなくなった場合、だれが責任を負うのか」という問題です。
たとえば、家の売買で、取引完了までに自然の山火事で家が燃えてしまったような場合ですね。
実は、民法にも定めがあり、原則としては、お金を請求できなくなることになります。これを「債権者主義」といいます。「主義」といわれると、尊重しているように思えますが、逆で、「債権者が責任を負えよ」という意味になります。
先日の民法改正で、解除しなくても、この債権者主義が適用されるルールが変更され、解除した上でお金が請求できなくなるというルール変更はなされましたが、いずれにせよ債権者主義には変わりありません。
弁護士 杉浦智彦