保証人の要件がないときは結局どうなるのか
民法450条に、保証人の要件の規定があります。
保証人は、行為能力者かつ、弁済の資力を有する(≒お金のある人)でなければなりません。
ところで、この保証人の要件が欠けた場合はどうなるのでしょうか。
保証契約自体は有効に成立すると言われています。ただ、行為能力制度との関係で、取り消されることがあるというだけです。
だから、「お金がなかったから、なかったことにしてください」ということにはならないわけです。
(保証人が必要だから保証契約をしたのに、保証人のお金がなかったからといって債務者からしかお金を取れないとなると、かえって不都合ですよね?だから当たり前の結論ではあるわけです)
ただ、全く影響がないかといわれると、そうではありません。
あるべき担保を入れていなかったということで、債務者の支払いの猶予が一切なくなってしまうという効果があります。(民法137条3号)
そのため、結局は、債務者にとっては、保証人にきちんとした人をいれたほうがいいのは間違いないわけです。
弁護士 杉浦智彦