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ブランドを抹消して自社ブランドを付けて販売することは、どの法律に違反するのか

商標の剥奪削除と呼ばれる争点となります。

これは、海外では、Reverse Passing Off(リバースパッシングオフ・逆パッシングオフ)と呼ばれ、昔から違法で不正な競争だといわれています。

ただ日本では、実はドンピシャな法規制がないといわれています。

学説の多数説は、商標法違反としてくれているようですが、ただ、裁判所の明確な判断はないところです。

また、商標法違反とはならないという有力な説も存在するところです。

また、不正競争防止法に該当する可能性も検討されています。

北海道大学の田村善之教授は、不正競争防止法2条1項14号に該当するといっています(田村善之『商標法概説第2版』150頁)

しかしながら、今の法規制を確認したとき、2条1項14号よりも、同項3号の該当の可能性が高そうにも思えます。

ただ、これには刑事罰もあるところなので、「罪刑法定主義」のなかの「刑罰を科すなら、要件を明確にしておけ」というルールに反するため、難しい解釈ではないかと反論されているところでもあります(平尾正樹『商標法第1次改訂版』295頁)。

結局、落ち着きのよい法解釈はどこかといえば、不法行為(民法709条)で処理してしまうというところのようです。(眞島宏明「商標の剥奪抹消と商標権侵害の成否」パテント2008年4月号120頁)

弁護士 杉浦智彦


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