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佐世保バーガー事件から見る会社の乗っ取り(共同利益型)

January 9, 2018

最近、「ほんまにそんなんあるかいな」(関西弁。標準語だと「本当にそんなことがあるのだろうか」の意味)と言ってしまった会社乗っ取り案件に接しました。

 

そんなこともあり(その対処法を考える上でも)、現在、過去の会社乗っ取り案件を調べています。

 

そのノートをこちらに残しておきます。

 

共同利益型の典型例

佐世保バーガー事件(東京地判平成26年5月9日判例タイムズ1413号313頁)

 

 

【事案の概要】

(1) 原告は,平成15年にハンバーガーを販売する店舗を出店し,平成20年ころには7店舗を開店するまでに至って売上げを順調に伸ばし,店の評判も良かった。原告代表者は,ハンバーガー店をRへ出店することを検討するに当たり,暴力団の存在等を懸念していたところ,電話で接触してきた被告Y2から被告Y1を紹介され,Rに詳しいと称する被告Y1との間で同年7月ころ,顧問契約を締結し,被告Y1に対する月額報酬として500万円から,多いときで1000万円程度を支払っていた。同年11月にはR店が開店している。
 本件は,原告が,被告Y1は被告Y2等と共謀して,ハンバーガー店の売上金の取得権限もないのに売上金を回収して,これを奪ったと主張して,不法行為に基づく損害賠償請求として,逸失利益及び遅延損害金の支払を求めた事案である。
 (2) これに対し被告らは,①原告代表者が平成22年6月ころから突然失踪して連絡がつかなくなり,ハンバーガー店の従業員の給与等の支払が滞っていたため,従業員の生活を守る労働組合として売上金の回収をしたのであるから不法行為は成立しない(争点1),②被告らが回収した売上金は全て,人件費など店舗の営業継続に必要な費用に充てており損害はない(争点2)等と主張して争っている。

 

さらに、次のような事実も認定されています。

 

「被告Y1は,原告から,顧問料や経費等の名目で多額の月額報酬等を得ていたところ,原告は,被告Y1に対する多額の月額報酬等の支払が負担となって資金繰りが困難となった。原告代表者は,被告Y1に対して報酬等の減額を打診したが,被告Y1はこれに応じなかったため,原告は,原告代表者個人の借入金を運転資金に充てるようになった。被告Y1は,原告代表者から月額報酬等の支払を拒否されると,従業員に対して労働組合の結成を指示し,ハンバーガー店の売上金を回収するための被告Y1個人名義の銀行口座を原告代表者の指示もないまま新たに開設し,この銀行口座に売上金を入金させて直接回収する行動に出た。被告Y1は,回収した売上金の一部を店舗従業員の人件費等の費用に充てたものの,それ以外の売上金は被告らの交際費等の名目で費消し,ハンバーガー店営業のための費用にはほとんど充当しなかった。」

 

結論として、多額の損害賠償が認められていますが、この件で伝えたいことは、結論のほうではございません。

 

 

この事例は、いわゆる、「暴力団への口利き」ができるという共同利益から会社に介入し、その後、お金を渋るようになると、従業員の心をつかんで、実質的に会社を乗っ取っているものといえます。

 

いろんな乗っ取りのパターンがありますが、

「共同利益型」とよばれるものになります。

 

会社法上の問題ではないですが、このような方法によって、コンサルなどによる乗っ取り事例は実務上多いようです。

 

またその他の乗っ取り事例も掲載していきたいと思います。

 

弁護士 杉浦智彦

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