「信託」で議決権を操作することが無効とされるリスク
事業承継で信託が使えるのでは?ということで、数年前から議論がされています。
ただ、信託で議決権を左右する方法は、「エンプティーボーティング」との関係で無効とされる可能性があると指摘されているところではあります。
「エンプティーボーティングの議論」とは、Empty(からっぽな)Voting(議決権)、つまり、経済的な株式所有権と、議決権を分けてよいのかという議論のことをいいます。
非公開会社だと、属人的株式というのがあり、人や役職ごとに株式の性質を変えられる可能性があるのですが、公開会社だと否定されてしまいます。
その関係で、公開会社で信託使って事業承継つかう方法は、タブーと言われてしまうのです。
弁護士 杉浦智彦