M&Aのときになぜ公取委へ届け出が必要なのか
M&Aのとき、公正取引委員会へ届け出をしなければならず、そのゴーサインが要求されています。
銀行の合併のときなど、よく報道されているだろうと思います。
最近だと、第四銀行・北越銀行のM&Aのときの公取委の審査結果報道が有名だろうと思います。
ただ、これは、全ての会社に求められているわけではありません。
下記の要件(1)に該当する会社が下記の要件(2)に該当する会社の株式を取得しようとする場合において,下記の要件(3)に該当することとなった場合に事前の届出が必要となります。
(1) 株式を取得しようとする会社及び当該会社の属する企業結合集団(注1)に属する当該会社以外の会社等の国内売上高の合計額(以下「国内売上高合計額(注2)」という。)が200億円を超える場合。
(2) 株式発行会社及びその子会社の国内売上高の合計額(注3)が50億円を超える場合。
(3) 株式発行会社の株式を取得しようとする場合において,株式発行会社の総株主の議決権の数に占める届出会社が取得の後において所有することとなる当該株式発行会社の株式に係る議決権の数と届出会社の属する企業結合集団に属する当該届出会社以外の会社等が所有する当該株式発行会社の株式に係る議決権の数とを合計した議決権の数の割合(議決権保有割合)が新たに20%又は50%を超えることとなる場合。
要するに、大きな企業だけということになります。
その点では、中小企業の事業引継ぎのときには、事前届出が不要になる事例が大半だと理解していただければ大丈夫かと思います。
弁護士 杉浦智彦