CISG(ウィーン売買条約)はどういう場面で適用されるのか
CISG、ウィーン売買条約とは
国境を越えて行われる動産(=不動産と債権以外)の売買に関する条約です。
ざっくり言えば、「国際的な民法」ですね。
さて、このCISGは、どのような場面で適用されるのでしょうか。
まずは、CISG加盟国に属する当事者同士の契約であれば、CISGが適用されることになります。
また、一方だけがCISG加盟国の場合でも、国際私法によって、加盟国の法律で判断される(準拠法)ことになります。
ところで、「準拠法の指定があれば、そもそもCISGと国内法のいずれが優先するのか」という疑問が生まれると思います。
まず、公序良俗など、国内で強制的に適用されるようなルールである「強行法規」については、国内法が優先します。
ただ、それ以外については、原則として、CISGが優先すると考えられています。
また、CISGと、契約の条項や、インコタームズとの優劣はどうでしょうか。
これは、合意内容である、契約の条項やインコタームズが優先すると言われています。
まとめると
合意内容=インコタームズ>CISG>国内法
という順番で優先されるということです。
弁護士 杉浦智彦