委任契約の「報告義務」の範囲
委任契約を締結すると、受託者は委託者に対して、委任事務処理について報告する義務があります。
これは、委任というのは、「おまかせしますからね」というところで、中身を確認できず、本当に仕事をしてくれているか分からないので、仕事しているか検証する材料を与えるため、民法で報告義務を用意しているのです。
この範囲は、結果だけではなく、処理状況の経緯の報告も必要です。
なお、結果については報告しなければなりませんが、経過や処理状況については、合意によって免除することはできます。
処理状況については、場合によっては、ノウハウなどに該当する可能性もあるわけですが、もしノウハウにあたるからということで守りたいなら、契約書で、きちんと報告義務を限定しないといけません。
弁護士 杉浦智彦